『腕時計のF1』をコンセプトに、2001年にリシャール・ミル氏が自らの名を冠して創業したリシャール・ミル。時計づくりに一切の妥協を許さず、最高の技術と素材を惜しみなく投入して作られた時計は、今もなお世界中の時計ファンを魅了し続けている。
今回紹介するモデルは、2006年に生産終了となったRM 005を継承し、ケースを大型化させて誕生した歴史的モデル『RM 010 オートマティック』。既に生産終了となっているこのモデルは、リシャール・ミルのラインナップのなかでも、極めてシンプルで希少性の高い3針モデルである。
ケースサイズは、48.00×39.30×13.84mmと他のラインアップに比べて小ぶりなサイズ感ではあるが、こだわりの素材、じっくりと時間を掛けて作り出した巧みなデザインからは、他にはない圧倒する『エクストリームウォッチ』としての雰囲気を醸し出す。
地板とブリッジには、チタン90%、アルミニウム6%、バナジウム4%で構成される合金、『グレード5チタン』が採用される。この素材は航空宇宙産業や自動車産業で多用されるなど、優れた剛性と耐腐食性が認められている。
この時計のために開発された技術は、ブランドの技術的理念の柱となり、あらゆるリシャール・ミル自動巻きムーブメントの基盤となっている。また内部はスケルトン仕様になっており、メカニズムまで細かく、 じっくり見ることが出来ることは時計好きにはたまらないであろう。ローターはリシャール・ミル独自の可変慣性モーメントローターを搭載。これにより、ムーブメントの巻き上げ機構を着用者のライフスタイルに合わせて最適に調整が可能となった。腕や手をあまり動かさない人には巻き上げ効率を上げて回転を加速、スポーツなどの激しい動きをする場合には減速させることができるのだ。
莫大なコストと時間をかけて作られるリシャール・ミル。コレクションの中でも極めてシンプルでベーシックモデルとして長く愛され続ける、RM 010 オートマティックは見た目からでも独特の質感を感じることができ、身に着けるだけでワンランクアップの品格を演出することが可能なリシャール・ミルを代表する最も究極にシンプルなモデルだ。